読谷村の文化財(8)シムクガマ
シムクガマは字波平にある自然洞窟です。全長約二千五百メートルの鍾乳洞で、楚辺通信所(象のオリ、ハンザタワーとも呼ばれる)北方に入り口があり、採石場跡の残波かりゆし学園あたりに通じていたことがこれまでの調査でわかっています。洞窟の奥へ入るには慣れた案内人と準備が必要です。
洞窟には「つらら石」「石柱」など九種類の鍾乳石がみられ、特に「ボックスワーク」と呼ばれる箱形鍾乳石は珍しいと言われています。
また、洞窟動物として「ウデナガサワダムシ」「オキナワマシラグモ」など十六種類が確認されています。また、内部には埋蔵文化財としてグスク時代の「波平洞穴遺跡」があります。
一九四五年の沖縄戦時は波平区民約千名の人々が避難壕として利用しました。洞窟内には終戦五十周年にあたる一九九五年四月一日、同区によって「救命洞窟之碑」が建立されました。
文化振興課 仲宗根求