読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2001年12月発行 広報よみたん / 17頁

読谷の自然(67)昆虫類【トンボ類】9 ~アオビタイトンボ~(トンボ科)

読谷の自然(67)昆虫類【トンボ類】9
~アオビタイトンボ~(トンボ科)

 体長が四〇㎜前後の中型のトンボで、名前のとおり、額部分が青く光り、成熟した雄は腹部に青白い粉を帯びます。雌は雄と異なり、腹部が黄色と黒のトラ縞模様(ムギワラ模様)をしています。
 本種は中国南部や台湾、東南アジアなどに分布を持ち、国内では大東諸島で古くから分布しているトンボで、沖縄島では一九七七年に初めて記録され、その後沖縄島の各地で定着して見られるようになったトンボです。
 主に森林に囲まれた水性植物が生い茂る平地の池、湧水池などに多く生息し、雄は日当たりのよい水生植物の繁茂する場所になわばり(テリトリー)をつくり、水辺の草にとまってなわばりを占有します。日差しの強い日には、腹部をまっすぐに上に向け太陽光が体に当たらないように腹部挙上姿勢をとります。
 産卵は雌個体で単独で行い、水面をたたきつけるように産卵する間欠打水産卵で行います。
本村のサシジャーガーは、沖縄島における本種が生息する数少ない湧水池となっています。
(文・写真:沖縄県立博物館学芸員 嵩原建二)

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