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2001年12月発行 広報よみたん / 17頁

読谷村の文化財(9)楚辺クラガー

読谷村の文化財(9)楚辺クラガー

 洞窟にある湧泉で、楚辺旧集落(現在米軍のトリイ通信施設区域)にある。
 楚辺では次のあらましのクラガー発見の伝え話がある。昔、干ばつに苦しんでいる時、美童チラーの赤毛の犬が、たびたびずぶぬれになることがあった。不思議に思い、犬についていくと地下奥のクラガーのありかを知り、人々が干ばつから救われたという内容である。話はさらに続き、チラーは「赤犬子」を産み、赤犬子伝説が語られていく。
 クラガーの洞窟は傾斜で、奥は暗く、あかりが必要である。途中、かがみこまなければ通れない場所もある。三十メートルほど下ってゆくと泉にたどり着く。昔の水くみの苦労が忍ばれる。
 クラガーは楚辺の七ウタキのひとつで水の恩として拝まれている。現在でも農業用水として大切に利用されている。
 戦前、近くには樹齢五百年の松の大木(ウスメーマーチ)があり、県下でも名勝地として有名で遠足等でにぎわった。
 ちなみに甘藷の品種に「楚辺クラガー」と呼ばれる楚辺原産のイモがある。明治初め、自然実生から育成されたといわれている。
 (文化振興課 仲宗根求)

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