色々貴重な体験をした研修
新城 愛三
みなさん、こんにちは。私はボリヴィア出身の新城愛三です。
私が、沖縄に着いたのがちょうど母の日でした。ドキドキと不安と一緒に沖縄の那覇空港に着くと、そこで迎えてくれたのがニコニコしたマキエおばさんと妹のエミおばさんでした。それを見ると今までの不安&ドキドキがどっかに吹っ飛んでいきました。遅れておじさんが車で来てそのまま家に向かいました。途中で「ここが読谷だよ」って言われた時はびっくりしました。私のイメージでは「読谷村」っていう名前からしてもっと田舎だと思っていたからです。
この六か月の研修期間の中でボリヴィアではできない色々な貴重な体験をさせて頂きました。はじめにいつも初めてあう方なのに一番最初に言われるのが「やーや、あんしくるさぬ」ってよく言われました。最初はちょっとショックでした。そんなことは気にしたことがなかったからです。今は笑って「はーい」って言えるようになりました。なかでも、絶対に忘れられないと思うのが三線の比嘉先生に「negrita」ってある日突然言われ、それから私の事を「negrita」って呼ぶようになったことです。最初はちょっといやでしたけど後は慣れてだんだん好きになってきたので「やっぱり人はそれぞれ、どんな環境にいても慣れるものなのかな。」って思いました。
私の研修内容は、午前中は「セルバン」というコンピュータ教室でワープロ入力の練習でした。インストラクターのお姉さんたちはとっても良い方ばかりなので「ユンタクー」などしたりしてとっても楽しかったです。十月の末にワープロ三級の検定試験を受けました。場所は浦添のセルバン教室でした。教室に入ってみると、中の雰囲気にびっくりしました。なぜなら、みんなシーンとして、試験直前までコンピュータに向かって一生懸命練習していたからです。私はそんなことは全然しない方なのでキーボードのカチャカチャという音がうるさく聞こえてすっごいイライラして、早く終わることしか考えていませんでした。実技と筆記があって、筆記の方は全然ダメでした。
午後からはヒスパニック文化センターでサンシン、書道、陶芸、フラワーアレンジメント、墨絵、写真などを習いました。また、四回くらい続いた金曜日の「日系ネットワーク」の時間には沖縄で頑張っている日系人や沖縄の方にいろんな体験話やこれからの沖縄、そして日系人との関係について話を聞くことができました。最後は話をしてくれた方と研修生との討論のような形で終わりました。私は聞いている時は「え~」とか「まだ終わらないのかな~」って思ったりしたけど時々振り返ってみると「そうなのかなぁ」って考え込んだりするのでとっても良かったです。
また、瀬名波の皆さんともいろいろ交流ができてとっても良かったです。例えば、青年会のエイサー、交通安全指導、夏休みのラジオ体操、そして、琴江先生の研究所と一緒に踊ったことなどです。青年会のエイサー活動にはびっくりしました。一日中おんぼろトラックに乗って普通の家から、お店、ホテルなどでエイサーを踊りながらまわって飲み物(ジュース、お茶、ビール、お酒)などをもらって飲んだりしました。疲れたけど、とっても楽しかったです。
そして、一番良かったのがウチナーンチュ大会に琉球サプカイの皆さんと一緒に参加できたことです。サプカイの皆さんと一緒に行動している時はとっても楽しかったです。サンシンをひきながら歌った後に「頑張ってね」って言われた時は、なんとなくすなおな気持ちで「頑張ります」と思える自分にびっくりしました。音楽にあまり関心のない私がこう思えるのはやっぱりサンシンのおかげなのでしょうか。
沖縄に来られて沖縄で体験したいろいろな事をこれから自分に活かしていきたいと思っています。読谷村の村長はじめ、担当の小橋川さん、企画課の皆さん、受け入れ先のおじさん、おばさん、ヒスパニック文化センターの喜瀬さん、由香さん、ハイメさん、サンシンの比嘉先生、そして他の先生方、琴江先生をはじめ津波琴江舞踊研究所に通うお友達、瀬名波の婦人会、青年会、そして大勢の瀬名波の皆さん本当にお世話になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。皆さんも是非ボリヴィアにきてください。その時を楽しみにしています。本当にありがとうございました。
平成十三年十一月二十二日
※紙面の関係で祖慶ワルテル君と勢理客シルビーナさんの発表は次回に掲載します。