読谷の自然(68)昆虫類10
~コシブトトンボ~(トンボ科)
体長二七㎜くらい。日本のトンボ類ではハッチョウトンボ(沖縄にはいません)に次いで二番目に小さなトンボです。腹の基部あたりが著しく太いので「腰太トンボ」の名があります。体色は黄褐色で、複雑な黒斑があります。オスは成熟すると体全体が青色に変わります。インドから東南アジア、中国、台湾にかけて分布し、日本では奄美大島から南の島にすんでいます。
水生植物が茂った池や湿地を好み、ヤゴは水深の浅い泥の中にもぐって生活します。読谷村では佐敷川周辺の草の茂った湿地でたくさん見られます。成虫が見られる時期は四月から十月頃です。
トンボの仲間は未熟なうちは水辺から遠くに移りすむものが多いのですが、コシブトトンボは未熟なものでもほとんど水辺をはなれません。成熟したオスは「なわばり」をもちます。メスは茂みの中の開けた水面で、場所を次々をかえながら水面を連続的にたたいて産卵します。オスは産卵しているメスの近くを飛んで警護します。
文・沖縄県ミバエ対策事業所
小浜継雄
訂正とお詫び
先月の十二月号のアオビタイトンボの写真はベニイトトンボでした。訂正してお詫びします。
アオビタイトンボ