読谷の自然73
昆虫類【トンボ類】15
リュウキュウハグロトンボ
(カワトンボ科)
体長約六四㎜。オスの体は金緑色で、角度によって青色に見えます。オスのハネの半分は青白色で、ハネを開閉すると青色にきらめいて美しい。メスは全体が黒っぽく、オスに比べると地味です。
川にすむトンボで、沖縄島と奄美大島、徳之島だけに分布します。ヤンバルの川にふつうに見られ、読谷村では垂川で見ることができます。読谷村から沖縄市あたりが本種の分布の南限になります。成虫があらわれるのは二月から十二月です。ヤゴは淀みや流れのゆるやかな岸辺の水中の植物につかまって生活しています。
オスは岸辺になわばりをもちます。メスがあらわれると、オスは腹の先端を上に曲げ、メスに近づき、水面近くを飛んだり、水面に浮かんだりしながら、腹の先の黄色い部分をメスに誇示します(求愛行動)。メスがなわばり内に止まると、交尾します。メスは水面や水中にある植物の組織に卵を産みます。ときには潜水して産卵することもあります。
文・写真 沖縄県ミバエ対策事業所 小浜継雄
写真の説明:葉に止まるオス