読谷村の自然(七四)
昆虫類【トンボ類】16
~オオメトンボ~(トンボ科)
体長は五〇㎜くらいで、後ばねの長さが三五㎜内外のトンボです。体色は全体的に褐色がかり、斑紋はみられません。体つきは細めで、複眼が大きいために「大目」のトンボと呼ばれています。幼虫は平地から山地にかけての森林植生の豊富な場所にある池や、森を流れる河川の緩やかな流れがつくる小さな水たまりなどで生育します。
成虫はアメイロトンボと同じようにタ方近くの薄暗い時間帯になってから飛び回る「黄昏飛行」の習性を持っています。日中はうすぐらい林の中で木の枝などにとまって休息しています。
本種は県内では沖縄島や久米島、石垣島、西表島、与那国島などに分布しています。国外では台湾やフィリピン、東南アジア一帯、インドなどに広く分布しています。
沖縄島では五月頃から十月頃まで成虫は見られ、村内では恩納村との境界近くを流れる垂川や伊良皆のサシジャーガーなどの水のきれいな場所にすんでいます。
文・沖縄県立博物館嵩原建二
写真・沖縄県ミバエ対策事業所 小浜継雄