読谷村の文化財(17)
喜名観音堂
喜名小学校の西側の丘にあり、一帯は公園として整備されています。
建立時期については記録がなく、はっきりとわかっていません。
お堂には千手観音の像が祀られており、喜名の古老に伝わる話だと、当初のものは一八四一年(道光二十一年)の九月十八日に金武観音寺から勧請したといわれています。
現在、勧請日と同じ旧暦九月十八日には例祭が執り行われており、この時期には多くの村民が繁栄と健康を祈願しています。
建物の壁は石積みで、屋根は戦前まで瓦ぶきでしたが、戦後になりセメント屋根に改築されています。
喜名にはかつて読谷山村役場があり、役場前には那覇、国頭間を結ぶ宿道が通っていました。宿道は現在は国道五十八号線となっていますが、喜名あたりは昔から交通の利便性があり、この場所に観音堂が建立されたのだと思います。今でも多くの人々に崇拝されている喜名観音堂です。
(文・文化振興課 仲宗根求)