読谷の自然77
昆虫類【トンボ類】19
カトリヤンマ(ヤンマ科)
体長約七〇㎜。中型細身のヤンマで、腹部がくびれています。未成熟のとき体色は褐色ですが、成熱すると緑色にかわります。中国、朝鮮、日本、台湾に分布し、国内では北海道から沖縄諸島に分布しています。林の周辺にすんでおり、読谷村ではサシジャーや垂川周辺で見られます。
成虫が見られるのは六月から十一月です。夜明け前や夕方の薄暗い時間に活動するトンボです。早朝や夕方、地上すれすれから三mの高さをせわしげに飛びまわり、さかんに小虫を捕らえて食べます(このような行動から蚊捕りヤンマの名がついています)。日中は林の中で木の枝に止まって休んでいます。成熟したオスは日中も活動し、薄暗い林の中を飛びまわり、メスを見つけて交尾します。産卵は昼から夕方に行なわれ、メスは池のまわりの湿った土や枯れ木に産卵します。幼虫は林の中の池で生活しています。
文・写真 沖縄県ミバエ対策事業所 小浜 継雄