読谷村の文化財(21)
古堅ガー
古堅ガーは比謝橋近くのメーダグシク西側の谷間にあります。
切石積みのカーはふたつあり、比謝川から内陸奥のものをウブガー(産井)、川近くのものをミーガー(新井)と呼んでいます。
ウブガーでは産まれた赤子を浴びせるための水や赤子の額になでる産水(ウブミジ)を汲みました。またカーから小さなエビとカニを捕まえ、赤子の体にはわせ健康を祝福しました。
ミーガーは大正十二年頃に造られたものと聞いています。
水道が普及するまで飲料水や生活用水として大切に利用されました。このカーは干ばつでも枯れることが少なく、対岸の嘉手納の沖縄県立農林学校の生徒も利用したとのことです。
古堅ガーは村内でも数少ない戦前の切石積みの囲が良好に保存されており、貴重な石造建築物です。今でも古堅区では水の恩に感謝し、清掃を
し拝んでいます。
文・文化振興課 仲宗根求