読谷村の文化財(22)
タカヤマグシク
タカヤマグシクは座喜味城跡東側の小さな丘陵にある拝所のグシクです。読谷村にはグシクと呼ばれる場所が今のところ十五か所知られていますが、ほとんどが居住の形跡がない拝所のグシクです。
丘の南には頂上への入り口があり、拝む人がたびたび訪れてできた小道があります。その小道を登ってみると丘は樹木でおおわれ聖域の雰囲気がただよっています。
頂上にたどりつくと香炉が安置されています。香炉前方には大きな岩があり、その岩の上にはソテツがあります。この岩部分がタカヤマグシクの神の依代(よりしろ)となっています。
頂上から北側をながめるとと長浜ダムの湖面が見え、この場所が長浜川の上流にあたることがわかります。
グシク西側の崖下には古墓があります。伝承によると、この古墓は、昔国頭方面から移動せられた「アジ墓」といわれていますが詳しいことはわかっていません。現在では門中清明などで大切に拝まれています。
文・文化振興課 仲宗根求