読谷の自然81
読谷村のトンボ相
ある地域にすむトンボの全種類をトンボ相といいます。沖縄県には約七〇種のトンボがすんでおり、そのうち四三種が沖縄島に生息しています(ほかに迷トンボが九種記録されています)。読谷村から見つかっているトンボは三三種です。そのうち二種は迷トンボですので、実際に読谷村に生息しているのは三一種です。ギンヤンマやオオシオカラトンボなど池にすむトンボが二六種、リュウキュウルリモントンボやリュウキュウトンボなど川にすむものが五種です。
また、沖縄で個体数が少ないホソミシオカラトンボも見つかっています。リュウキュウハグロトンボやカラスヤンマなど川にすむトンボの多くは読谷村から沖縄市あたりが分布の南限と考えられます。つまりヤンバルと似た自然環境が読谷にもあるということです。
読谷村のトンボ相の調査は不十分ですので、調べがすすめば種類が増えるのはまちがいありません。沖縄市には三七種のトンボが生息しており、その多くが嘉手納弾薬庫地区内で見つかっています。読谷村内の米軍基地を詳しく調べるとオキナワトゲオトンボやオキナワコヤマトンボなど渓流性トンボが発見される可能性があります。
文・写真 沖縄県ミバエ対策事業所 小浜継雄