読谷村の文化財(24)
トゥマイグシク
トゥマイグシクは渡具知の比謝川河口近くの海岸にあります。別名クマイグシクと呼.ばれています。
ここは昭和十二年には「南沖縄八景」のひとつとして絵はがき(写真)で紹介されるほどの景勝地で、現在は泊城公園として整備されています。
砂浜に面した奇岩があり、岩の下は洞窟やトンネル状の穴になっています。穴のいくつかは海に開いており潮位によっては波も打ち込み、目の前には水平線が見えます。
伝承によると、昔、今帰仁城において本部大主による謀反がおこり騒乱の中、本来の城のあとつぎである、「千代松(のちの丘春)」は逃げのび、ここトゥマイグシク(大木徳武佐あるいは砂辺に居た伝承もある)であだ討ちの機会をうかがったという話があります。往時のことを伝えるものとして丘春を葬ったといわれる墓が近くにあり、落ち武者伝説地といえましょう。
文・文化振興課 仲宗根求