読谷の自然(83)
昆虫類【チョウ類】23 ~オオゴマダラ~(マダラチョウ科)
日本で最も大形のチョウのひとつ。白地に黒い紋があります。奄美諸島以南の琉球列島、台湾、フィリピン、東南アジアなどに分布します。県内の各島にふつうで、特に海岸林の近くで多く見られます。
成虫はほぼ一年中見ることができます。大きなはねでフワリフワリとゆるやかに飛び、アザミやセンダングサの花にやってきます。オスは腹の先からヘアー・ペンシルという毛がふさふさとした器官を出し、そこから芳香を発散させメスをひきつけ、交尾します。幼虫はキョウチクトウ科のホウライカガミの葉を食べて育ちます。この植物は海岸近くによくはえています。幼虫は全体黒色で、赤い派手な紋があり、また背中に四対の長い突起がついています。蛹は黄金色で、金属光沢がありひじょうに美しい。
飼育しやすいので昆虫園ばかりでなく、学校でもよく飼われています。庭に食草のホウライカガミを植えておくと、メスがやってきて産卵するので、庭先でも金色の蛹を楽しむことができます。
文・沖縄県ミバエ対策事業所
小浜 継雄