読谷の文化財(27)
高知口原貝塚
儀間のニライビーチ後方には砂丘があり今から約二千年前の貝塚(本土では弥生時代の頃)がある。発掘調査をおこなってみると当時食料となったシャコガイやチョウセンサザエなどの貝殻、ハリセンボンやブダイの魚骨、イノシシの骨、ジュゴンの骨が出土する。野山の動物や海産物を狩猟採集し食料としていたことがわかる。遺跡の目前に広がるイノー(礁池)は食料獲得の重要な場所である。この時代沖縄ではまだ農業はおこなわれていない。また、慎重に発掘してみるとわずかだが真っ黒く小さな炭が出土した。いわゆるドングリなどの木の実が炭となっておりこれらも利用していたことが解る。高知口原貝塚人は砂丘を主な生活の場とし毎日波の音を聞きながら寝ていたのだろう。
文・文化振興課 仲宗根 求