保育の窓 十
飼育・栽培を通して
緑の木々(ホルト)に囲まれた園庭。一年中、バッタ取りができます。自然がいっぱいの読谷保育所、今年も子供たちの大好きな季節がやってきました。夏を告げるかのようにかすかにセミの鳴き声が聞こえてきたかと思ったら、翌朝は「先生!手でセミ捕ったよ」と走って来ました。「R君すごいね」と誉めると「ちょうちょうも捕えることできるんだよ」と自信たっぷりです。今日も、虫取りアミを片手に汗びっしょりになって、園庭の小さな虫たちと戯れています。また、オオゴマダラが黄金の蛹になる瞬間、みんなくぎづけになり「がんばれ!がんばれ!」「すごいね」と声援を送り、「虫は怖い」と言っていたお母さんも一緒に感動を共有することができました。.そして、各クラスでは蚕の世話を楽しんで行っています。繭を巻き始めたので「次は糸取りする」「蛾になるんだよね」などと話がはずむ子供たち。中には、登所を渋っていた子が、蚕の世話を始めたらすんなりと「バイバイ」ができ、保育士と一緒に喜んで世話をやっている状況もとてもかわいい。その背景には迎えのたんびに桑の葉を持参してくださったお爺さんがいらしたり、「蚕のホテルにどうぞ」とトイレットペーパーの芯を積極的に提供していただくなど、保護者との連携プレーが実っています。
それから、園のミニ菜園にはゴーヤー、きゅうり、ミニトマトが実り、とうもろこしの種蒔きをしたら、みごと収穫する事ができ、全クラスのおやつに添えてもらいました。「おいしい!」「甘いね」「いつものとちがう」などと、子供たちに大好評です。なかなか好まれないトマトが目の前の菜園から採れ、もぎたてのミニトマトを「食べたい」「早くちょうだい」「大きいのがいい」など、給食の時は食べない子でも、菜園から取れたら喜んで食べれるという大きなねらいがあります。この夏も、ゴーヤージュースを飲んで元気もりもり。
日々の遊びの中で、繰り返される自然の営みとの出会いや、触れ合う実体験を通して感動し、発見していくことを大事にしたいと思います。
読谷保育所 仲宗根喜美枝