読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2003年7月発行 広報よみたん / 9頁

めざせ健康村ゆんたんざ三 静かにしのびよる糖尿病 ~あなたの血液、ベトベト血になっていませんか?~

めざせ健康村ゆんたんざ三 静かにしのびよる糖尿病 ~あなたの血液、ベトベト血になっていませんか?~

 ある日の訪問指導…脳梗塞をおこした六〇歳代男性のAさん宅を訪問してみました。「四〇代半ばには糖尿病の治療をはじめた。はっきり覚えてないけど、職場健診で糖が高いのは前から知っていたよ。血圧も高かった。今より一〇㎏以上太っていた。しかし、別に何ともないのであまり気にしていなかった。そしたら、ある日、体がとってもだるくなって病院へ。『糖尿病』と言われ即、治療が始まった。『ちゃんとしないと合併症が出るよ』と主治医に言われたけど自分は大丈夫と思っていた。酒もタバコもやめられなかった。病院にいっても糖尿病は治らないし、しょっちゅう血は採られる。そしたら今度は、急に舌がもつれ脳梗塞を起こしてしまった。最近、腎臓も悪くなってしまって、いつ透析になってもおかしくないといわれている。」と足をなでながら話していた先に目をやると、足の親指が壊疽を起こし、真っ黒になっていました。「いつの間にかこうなっていた…」と寂しそうな表情にどう励ましてよいのか、「防げた病気だったのに…。」いきどおりを感じてしまった瞬間でした。
 糖尿病といえば今や国民病。糖尿病患者は全国で六九〇万人。糖尿病の疑いのある人を合わせると、一、四〇〇万人ともいわれています。我が読谷村も例外ではなく、平成十三年度の住民健診の結果をみると、糖尿病といわれた人・糖尿病が疑われる人の割合は男性では五人に一人、女性で十人に一人という状況です。
 糖尿病はある日突然にはじまるのではなく、その前段には高血糖という状態があり、この状態に気づかなかったり、放置しておく事が危険です。
 ではなぜ高血糖になるのでしょう?
 私たちの体は、たくさん食べて大量のブドウ糖が血液内に入っても、通常は、それに見合った量のインスリン(糖を細胞に取り込むためのホルモン)が分泌されるので、血糖値は一定の範囲に収まります。しかし、何らかの原因で、インスリンの分泌量が少なくなると、ブドウ糖の取り込みがスムーズに行われず、その結果、処理しきれなかったブドウ糖が血液中に残り、血糖値が上がります。日本人には、体質的にインスリンの分泌量が少ない人が多くみられます。
 また、太っていたり、運動不足の状態が続くと、インスリンの働きが悪くなる「インスリン抵抗性」という状態になります。この状態では、インスリンが分泌されていても、細胞がインスリンの刺激に応じず、ブドウ糖を取り込まなくなり、行き場のないブドウ糖が血液中に残り、血糖値が上がります。こうして、血糖値が高い状態が続くと、ますますインスリンの働きが低下し、糖尿病になっていくのです。
 ところが、健診結果の説明をしていてよく耳にするのは、「血糖が高くなっている?別に体の調子は変わらないし、痛くもないからね…」という反応です。糖尿病は症状がないのが特徴。血糖が高い状態はすでに血管を傷つけはじめているのです。最近、血糖値がさほど高くなくても、動脈硬化はすすみ、四〇~五〇代の男性が境界型糖尿病から突然の心筋梗塞を起こしてしまうケースが増えているといいます。
 あなたの血糖値 最近…ベトベトになっていませんか?
 文・健康共生課保健師
        知花ちせ

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