読谷の自然(86)昆虫類【チョウ類】26~タテハモドキ~(タテハチョウ科)
ハネの表に目玉模様があるのが特徴です。ハネ裏の模様は季節によって変わり、春から夏にあらわれる夏型は目玉模様、秋・冬にでる秋型は枯葉模様です。
九州南部から琉球列島、台湾、東南アジアに分布します。草原、耕地など開けた明るい場所にすみ、成虫はほぼ一年中見られます。飛びかたはゆるやかで、オスは草などにとまって一定空間を占有します。食草(幼虫の餌植物)はイワダレソウやスズメノトウガラシなどです。
一般にチョウは、食草に卵を産みつけます。しかし、タテハチョウ科のチョウにはタテハモドキのように食草以外の切り株や石などに卵を産みつけるものがいます。そこで、ふ化した幼虫は動きまわって食草にたどりつきます。動きまわる習性は幼虫が生きていくために必要だと考えられます。イワダレソウのような小さな草は、食い尽くされることがあるので、幼虫は動きまわって新たな食草をさがさなければならないからです。
文・沖縄県ミバエ対策事務所
小 浜 継 雄