読谷の自然(87)昆虫類【チョウ類】26~リュウキュウアサギマダラ~(マダラチョウ科)
森林近くの道路わきや海岸林などで見られるマダラチョウの仲間で、薄い水色(あさぎ色)の地に黒褐色の太いすじがあざやかに目立ちます。この斑紋は同じマダラチョウ科のアサギマダラに比べより細めです。幼虫は海岸近くに生え、つるをのばして広がるツルモウリンカを食草にしています。成虫は一年中(周年)見られ、いろいろな場所で蜜を吸う姿をみかけることがありますが、冬季には北風のあたらないような谷間やくぼ地などの森林内で集団で冬越しします。その時には数十~数百個体もの集団(越冬集団)を形成することがあり、その越冬している場所に立つとあたり一面がチョウだらけの光景になります。
本種は国内では奄美以南に生息し、沖縄諸島や宮古・八重山諸島などでもふつうに見られます。国外では台湾から東南アジアなどにかけて広く分布しているチョウです。
文:沖縄県立博物館
嵩原建二