読谷の自然(97) 昆虫類【チョウ類】36
バナナセセリ(セセリチョウ科)
前翅長が約四㎝と、国内に分布するセセリチョウの中で最大の種で、バナナ畑周辺で周年見られます。成虫は夜明けや夕刻の薄暮に活動し、夜間、灯火にくることがあります。バナナ類の害虫で、幼虫はバナナの葉を巻いて大きな筒状の巣をつくり、葉を食べます。多数発生するとバナナの葉が食いつくされてしまいます。村内でも農耕地周辺やバナナ畑などで、採蜜に飛び回る成虫がしばしば見つけられます。
本種は中国南部、インドシナ半島、マレー半島、インド北部などに分布していますが、日本では一九七一年に北谷町謝刈で発見されました。軍事基地の多い中部でみつかったことから米軍物資にまぎれてインドシナ半島から持ち込まれたと考えられています。
最近では与論島、沖縄島、石垣島、与那国島など分布域を広げて帰化しています。沖縄島では発見されてから三年で島のほぼ全域に分布を広げ、「芭蕉布」で有名な大宜味村喜如嘉ではその原料となるイトバショウ畑で大発生し、大きな社会問題となりました。外国から生物が持ち込まれると、しばしばこうした問題が発生したり、時には在来動物の生息に大きな影響を与えることがありますので、生物の移入は慎重にしたいものです。
文・沖縄県立博物館 嵩原建二
写真・沖縄県ミバエ対策事業所 小濱継雄