読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2004年12月発行 広報よみたん / 11頁

読谷の自然(103)昆虫類【チョウ類】42 ~アカタテハ(タテハチョウ科)~

読谷の自然(103)昆虫類【チョウ類】42 ~アカタテハ(タテハチョウ科)~

 前翅の長さが三二ミリメートル内外と小型のチョウです。ヒメアカタテハに良く似ていますが、やや大きく、背面の色もヒメアカタテハが薄いオレンジ色を帯びた褐色に対し、本種のほうは黒褐色の地色に赤褐色の大きな斑紋があります。また、前翅の白斑も小さく、後翅の斑紋の模様は、本種のほうは黒い斑点が一列になります。
 沖縄では成虫で越冬する他、幼虫の段階でも越冬しています。成虫は訪花して吸蜜するほか、樹液や熟した果実などにも集まります。
 幼虫の食草はイラクサ科のノカラムシやオオイワガネなどで、ふ化した直後から自分のはき出した糸で、食草の葉をつづり合わせた簡単な巣をこしらえ、その中で生活します。
 本種の分布域は、日本、北アフリカ、ヨーロッパ、中央アジア、東アジアなど広い地域に分布しています。
 村内でも普通に生息し、林縁や農耕地の周辺、道路沿いなどに咲くランタナなどの草花に訪花するほか、樹液や熟して落下した果実などをもとめて吸汁している姿が見られます。
 本種もヒメアカタテハやルリタテハと同様、オスが日没後に地表面でなわばりをはり、侵入する他のチョウを追い払う行動が見られます。
(文:沖縄県立博物館 嵩原健二  写真:小浜継雄)

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