読谷村の文化財(45)
赤犬子遺跡
赤犬子遺跡は今から約二千五百年前の縄文時代終わりの遺跡です。場所は楚辺のアカヌクー(赤犬子宮)後方の台地にあり、読谷補助飛行場の南端に当たります。現在水道タンクがあり、周辺には畑が広がっています。遺跡からは南方へ目を向けると遠くに嘉手納から那覇への海岸が見えます。一九六一年に発掘調査がおこなわれ、多くの土器、石器が見つかりました。土器は「赤犬子タイプ」と呼ばれ、尖り底で口部分が花鉢状に厚くなる特徴があります。石器は木を倒す石斧や木の実などを粉にするすり石が目立ちます。沖縄では縄文時代の終わりには見晴らしの良い台地に遺跡に位置する場合が多く、同じ時期の長浜・吹出原遺跡からは竪穴住居跡が見つかっています。貝塚が形成されず、内陸に位置することから原始的農業を始めたのではと考えられていますが、今後の研究が必要です。
文・文化振興課 仲宗根求