読谷村の文化財(46)大当原貝塚
大当原貝塚は波平の火葬場北側の海岸にあります。ここは砂浜が広がり、かつては砂丘でした。砂丘において戦後まもなくに防波堤建設や採砂工事がおこなわれ、元々の地形は失われましたが、内陸部の琉球石灰岩岩陰に貝塚が残っていました。一九七二年と一九八九年に発掘調査がおこなわれ、ヒトの頭骨が土器でおおわれた状況で発見されました。頭骨だけを選び分け、土器でおおう葬り方は特徴的で重要な発見となりました。頭骨をおおっていた土器は底がとがり、粘土のでこぼこが残るもので「大当原タイプ」と呼ばれています。その他、貝殻で作った網のおもりや貝殻の腕輪、貝殻の皿なども出土しています。今から約二千年前から二千五百年前の埋葬方法を知る上で貴重な遺跡です。
文・文化振興課 仲宗根求