読谷村の文化財(47)読谷村西海岸の石切場跡
読谷村の西海岸には石切場跡が残っています。干潮になると宇座の残波岬一帯から渡慶次・儀間・高志保・波平・楚辺海岸では広い面積の方形の切り取り跡が海中から現れてきます。
この切石は大正時代末期ごろから始められ、コンクリートブロックやセメントが普及する昭和時代前期まで行われていました。特に宇座海岸の切石は「宇座石」と呼ばれていたそうです。干潮時にシチ等を使い切り出し作業をおこない、満潮時の浮力で馬車に積みました。石は屋敷周りの石垣や畜舎の壁、墓の積み石の建築材料として中頭一帯に販売されていました。当時、読谷では新しい産業として石切り職人や石積み職人そして石運搬業などが登場し組合を結成するほど盛んになりました。
文化振興課 仲宗根 求