読谷の自然(106)昆虫類【チョウ類】45
~リュウキュウムラサキ~(タテハチョウ科)
前バネの長さ四〇~五五㎜の中型のチョウ。ハネの表に光沢のある青白色の大きな斑紋があります。インドから太平洋諸島まで、東洋熱帯に広く分布し、台湾型やフィリピン型など、いくつかの亜種(型)があります。メスは多くの斑紋タイプがあるので、斑紋から出身地が推定できます。しかし亜種間の交雑により、特徴がはっきりしない個体もあります。「リュウキュウ」という名がついていますが、沖縄には定着していません。飛翔力が強く、南方から飛んできます。このようなチョウを「迷チョウ」と呼んでいます。飛来してきたメスが産卵し、一時的に発生することがあります。
冬季を除いて年中見られ、おもに海岸林や畑地の林のまわりにいます。オスは一定の場所を占有する性質があります。葉の上にとまり、周辺を飛び回ります。成虫は樹液や花の蜜を餌にしています。幼虫の食草はサツマイモやツルノゲイトウ、キダチハグルマなどです。
文・写真、沖縄県ミバエ対策事業所 小浜継雄