施政方針
一 はじめに
村民のみなさん、こんにちは。本日ここに第三四〇回読谷村議会定例会の開会にあたり、平成十七年度(二〇〇五年度)の予算案をはじめとする諸議案の説明に先立ち、村政運営の基本姿勢と諸施策の概要を申しあげ、議員並びに村民のみなさんのご理解とご協力を賜りたいと思います。
昨年は自然災害の多い年でありました。国内においては、台風をはじめ新潟県中越地震などの大きな災害が起こり、海外におきましてもインド洋スマトラ沖地震による大津波によって未曾有の被害がもたらされるなど、自然の猛威を改めて痛感させられた年でありました。被害に遭われました方々の一日も早い復興を願うとともに、本村におきましても、災害対策の重要性を認識し、その対策に取り組んでまいります。
我が国の経済情勢について、国は「構造改革により長い低迷から脱し、成長の姿が見え始めた」と表明してはいるものの、景気回復の実感が未だ得られるものではなく、地域における雇用環境も依然として厳しい状態が続いております。政府は「地方にできることは地方に」「地方の自主性、自律性を高める」として、骨太の方針に基づく、税制改革・社会保障制度改革・三位一体の改革等を進めております。四年ぶりに新規国債の発行額を減額したとはいえ、国家予算の約四二%を占める三四兆円もの多額の国債に依存しなければならない状況であります。このような国の状況を受け、地方においても、国庫補助金の削減・廃止や地方交付税の段階的な削減により、地方への大きな負担となっているのが現状であります。
このような状況の中、本村におけるここ数年の予算編成は、財政調整基金や減債基金を取り崩す厳しい予算編成が続いております。平成十七年度の一般会計の予算規模は九八億三、二二五万円で、対前年度比六、九六四万円余(〇・七%)の増となりましたが、これは国保特別会計や老人保健特別会計への繰り出しが増えたことによります。また、今年度は、読谷補助飛行場の返還にともなう一〇〇%補助対象の返還道路整備事業を予定しており、これを除くと実質九四億七、〇二六万円余で、対前年度比二億九、二三四万円(三%)の減となっております。
持続可能な行財政運営を目指して、行財政改革実施計画の二年次に入ってまいります。国の動向及び本村の財政状況から、読谷村に近々訪れる財政危機は平成二〇年あたりと想定し、当面は現在進めております経費の節減と合理化をさらに徹底するとともに、今後の財政需要及び財源不足へ対処するため基金への積立額の確保に努めてまいります。また、情報収集や財政分析、行政需要を勘案し、今後の具体策を取りまとめてまいります。
地方の時代において、これから目指すべきむらづくり、地域づくりのあり方は、「自律」であります。これまでのむらづくりの成果を踏まえつつ、常に村民本位の力強い「読谷村」を創り上げ、それを未来へ継承することが私たちの責務であります。そのためには、村民自らが主体的に参画し、自助努力による地域づくりを推進していく必要があります。これからも村民のみなさんとともに、「読谷村の真の自律」の実現に向け、引き続き健全な行財政運営に努めてまいります。
今年は沖縄戦終結六〇年の節目の年を迎えます。国内で唯一の地上戦を経験した県民にとって、平和は何ものにも代えがたい尊いものであり、二十一世紀を再び、戦争の世紀にしないよう、平和村づくりの推進に取り組んでまいります。
以上、今日までのむらづくりの成果をもとに、「雇用主は村民である」という認識のもと、全職員が力を合わせ村民の視点に立ったむらづくりに取り組んでまいります。今後とも議員のみなさん並びに村民のみなさんのご支援とご協力を心からお願い申しあげます。