2 地方行財政の現状
現下の地方財政は、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入の大きな伸びが見込めない一方で、数次の景気対策による公共事業の追加や、減税の実施等により、平成十六年度末の地方債借入金残額が二〇四兆円に達する見込みであり、今後その元利償還が財政を圧迫する要因となることなどから、構造的にみて、極めて厳しい状況にあります。また、国は「基本方針二〇〇四」において、地方が自らの支出を自らの権限、責任、財源で賄う割合を増やすとともに、国と地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築につながるよう、「三位一体の改革」の全体像を本年秋までに明らかにし、年内に決定することとしています。現在、検討されている国庫補助負担金の廃止・縮減、税源移譲、地方交付税の見直しの動向によっては、地方財政に大きな影響を及ぼすことが考えられます。
一方で地方分権の一層の推進が求められる中、個性と工夫に満ちた魅力ある地方の形成、少子・高齢化対策、環境型社会の構築・地球環境問題への対応等の重要政策課題を抱え、財政需要は、ますます増大するものと見込まれます。
地方公共団体は、これまでも行財政改革に取り組んできたところでありますが、今後、さらに事務事業の見直し、組織・機構の簡素効率化、外郭団体の統廃合等、定員管理・給与の適正化、民間委託の推進等、徹底した行政改革を推進するとともに、歳出全般にわたる徹底した見直しを図り歳出総額の抑制と重点化を進め、効率的で持続可能な行財政の確立が求められています。
3 読谷村の行財政状況
本村の財政状況は、歳入では、自主財源の柱である村税収入の歳入総額に占める割合が依然として低い状況にあり、地方交付税や国・県支出金に大きく依存した構造となっています。 国が実施した「三位一体の改革」により、平成十六年度の影響額は、三億円の歳入減となりましたが、平成十七年度も歳入の減少が見込まれます。
一方歳出面では、高齢化が進むなか医療費や福祉費が増加しています。また、ゴミ処理経費、施設の維持経費等についても増える傾向にあり大きな課題となっています。
投資事業では、村道中央残波線や村道牧原線等の整備、読谷飛行場跡地や楚辺通信所、瀬名波通信所の軍用地の返還が予定されていますので、これら返還軍用地の跡地利用についても多額の財源が必要になるものと予想されます。
このため、平成十七年度の財政収支不足額は、五・四億円程度を見込んでいます。
平成十七年度においては、組織機構の見直し、課、係の統廃合により力点を入れた事業として
・読谷飛行場用地問題の解決
・村民の医療費負担改善と村 民の健康維持、増進
・ゴミの再資源化の推進とゴ
ミ 搬出量の抑制
の為の施策を展開します。
歳入においては、税の公平性の立場から課税客体の適正な把握と徴収率を高めるとともに、使用料手数料の適正化等について検討を行います。
歳出においては、費用対効果を含め優先度を明確にしつつ事業の取捨選択をこれまで以上に徹底するとともに、既存事業について歳出全般にわたる見直しで歳出を抑制します。
本村の財政は、国の「三位一体の改革」の実施により、ますます厳しいものとなることが予想されますが解決すべき課題も多く、今後とも村民サービスの維持・向上を図るためには、これまで以上に効果的かつ効率的な行財政運営に努める必要があります。
平成十六年度は、行政改革実施計画「自律」を全庁的に取り組み、七つのプロジェクトを立ち上げ、一三七項目の改善に向け
て努力しているところでありますが、今後は、村民と協働で行政改革を確実なものにしていく必要があります。
平成十七年度予算は、以上の基本的考え方に基づき編成する事にしました。