保育の窓三二
子供は小さな芸術家
「見て見て!飛行機がお空に絵を描いているよ。」
目を輝かせながら飛行機雲を見ていた子供が言った言葉です。『飛行機雲』という言葉を知らなくて、表現した言葉がとても素敵でかわいらしく、私はとても感動しました。
子供はひとりひとりが芸術家だなぁと感じさせられます。素敵な表現、面白い言葉が子供たちの口からポンポン出てきます。だから私は子供たちとお話するのが大好きです。まだ言葉がはっきりしていない子と話す時は聞き返しながら注意深く何度も言葉のやりとりをします。その子が伝えたかった事をわかってあげられた時はお互いに嬉しくなり、気持ちを伝える喜びをその子なりに感じることでしょう。また、会話がスムーズにできる子とお話をしていると、突然違う話になったり、予想もしていないことを言ったりします。ある日、園庭で遊んでいた時に「見て~、新しいスカートだよ!」と嬉しそうに言ってきた子に、「わぁステキ!くるっと回って見せて」と言いました。するとその子はいきなりかけだして行ってしまいました・・・。と思っていたら、なんと園庭をグルッと一周得意気に回ってきたのです。「見てた!」と聞くその子の顔は真剣そのもの。私はもうその子の行動に釘付けでした。またあるときは食事中に、メニューの卵を見て「昨日さぁ、おじいが卵産んだよ。」と言い出したり。本当に子供たちの頭の中は不思議に満ちています。私はそんなナゾだらけの子たちが大好きでしょうがありません。これからも保育士としてこの小さな芸術家たちの言葉の宝物を心に留めていきたいと思います。
皆さんも子供たちの言葉に耳を澄まし、行動に目を澄まし、そして心を澄まして子供たちに接してみてください。きっと元気をもらえますよ!
文・わかたけ保育園
底原 香織