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2006年9月発行 広報よみたん / 15頁

読谷の民俗芸能18 舞踊(3) チンチクダーキー

読谷の民俗芸能18 舞踊(3)
チンチクダーキー

「チンチクダーキー」は、こっけい踊りの一種で、読谷村では字喜名だけに継承されています。「チンチクダーキー」の題名は、歌詞の「にはのチンチクダキ山に・・・」から付けられています。『中山傳信録』(1721年)という文献には、11種類の竹の名前が記録されていますが「チンチクダキ」がどの竹に当たるかわかりません。
 喜名では「天をつくほどの高い竹」と説明しています。伝承者(作詞者)は喜名出身の照屋唯士さんで、「竹山で働く男達が労働の合間に腕相撲に興じている素朴な労働歌である」といわれています。クロツグ(方言名マーニ)で作った先のとがったカツラを被り、ひげをはやし、芭蕉衣(方言名バサージン)を着けます。歌三線は「赤木名節」にのせて歌われ、踊り手の太鼓のリズムとともに力強さと面白さを表現した踊りです。 本来は男達が踊っていたのでないかと思われますが、字喜名では、女性の皆様がしっかり継承し、地域に活気を与えています。平成12年鳳ホールにおいて韓国済州道との文化交流会で上演され、喜ばれました。
 「赤木名節」は元々奄美赤木名の歌であるといわれ、同じ系統の踊りが伊江村西江前区、北中城字島袋などにも伝承されています。歌詞については、二通りあります。字喜名の場合は戦前発行された民謡歌詞集にも出てくる「チンチクダキ節」と似ており、西江前区や字島袋は、いわゆる「赤木名節」という節名で、「赤木名鳥小や・・・」などと歌われる恋歌が主な内容になっています。字島袋は、首里の踊奉行から教わったと伝えられています。各地域の踊りを比較すると衣装、踊り方などに若干異なる部分はありますが、全体的には素手で踊る「あやぐ踊り」をほうふつさせるような踊りです。
  文・村立歴史民俗資料館        長浜 眞勇

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