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2007年1月発行 広報よみたん / 13頁

読谷の自然(128) 昆虫類【コロギス類】 ~コバネコロギス~

読谷の自然(128) 昆虫類 【コロギス類】 67 ~コバネコロギス~ (コロギス科)
 体長が16~19
mmの小型のコロギス類で、触角はきわめて長く、体長の5倍以上もあります。翅(はね)は退化して痕跡(こんせき)的にしか残っていないため飛ぶことはできず、太い後脚でジャンプして移動します。体は薄い褐色で、脚は淡褐色を呈します。腹部の背面は各節の後縁部が黒色のため、本種のトレードマークともなる美しい黒色の横縞模様を有しています。形態的にはハネナシコロギスによく似ていますが、短い翅を持ち、後脚部のすねに特に大きな棘(とげ)を有しない点で区別されます。
 本種は国内では本州、四国、九州から南西諸島までと広い分布域を持ち、国外では台湾に分布しています。
 主に常緑広葉樹林内に生息し、樹上性で、広葉樹などの葉の一部を切り、口から糸を吐いて葉をつづって丸めて巣を作り、昼間はその中に潜んでいます。夜間性で、夜間に森林内をうろついて小動物などを餌にしています。コロギスの仲間の発音は、脚で葉をたたくタッピングや腹部側面の突起と後脚をこすり合わせてシュシュシュという音を出すことが知られていますが、本種についてはよくわかっていません。
 村内でもまとまった森林地域の見られる親志や長田などの場所で、夜間にしばしば植物の大きな葉の上にとまっていることがあります。
 文 嵩原建二
   (県立名護養護学校)
 写真 小濱継雄
   (県農業研究センター)

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