読谷の自然(129)昆虫類 68~コブナナフシ~(コブナナフシ科)
ナナフシといえば、体や肢(あし)が細長く、木の枝にそっくりな虫というイメージがありますが、コブナナフシはずんぐりしたナナフシです。オスは体長35~40mmで棒状、メスは体長45~50mmでオスよりもひとまわり大きく、太めです。体色は灰褐色から黒褐色、翅はなく、体全体がゴツゴツしていて、頭にトサカのようなコブがあります(写真のように幼虫はあまりゴツゴツしてない)。日本、中国、台湾、カンボジアに分布し、日本では九州南部から奄美・沖縄の各島に分布します。
林の周辺にすみ、一年中見られます。日中はほとんど動かず、夜間に活動します。オオイタビやイヌビワなど、いろいろな植物の葉を食べます。メスは1個ずつ、ポロポロと卵を産み落とします。卵はほぼ球形で、全体細い毛におおわれています。おもしろいことに、その毛の先に釣り針状のフックがついています。たぶん、卵が植物にひっかかるようになっているのでしょう。
文・写真 沖縄県農業技 術研究センター 小浜 継雄