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2007年4月発行 広報よみたん / 2頁

「地産地消」と「食育」を育む地域の食材

「地産地消」と「食育」を育む地域の食材

 「地産地消」という言葉をご存じでしょうか。「地産地消」とは、「地域で生産されたものを地域で消費する」という意味で、近年、消費者の農産物に対する安全・安心志向の高まりや生産者の販売の多様化の取組が進む中で、消費者と生産者を結び付ける「地産地消」への期待が高まってきています。
 以前は当たり前のように“地域で生産されたもの”を食していました。これが沖縄の健康長寿を支えてきたひとつの要因ともなっています。
 しかし、現在の私たちの食生活の中にファーストフードや、加工食品などを利用する割合が多くなり、地域の食材を活用する機会が徐々に少なくなりつつあります。
 また、大きな問題として、次代を担う子どもたちは、朝食欠食や孤食、偏った栄養摂取による肥満傾向の増大、生活習慣病の若年化など、食に起因するさまざまな健康問題が生じています。子どもたちに、食に関する知識と、食を選ぶ力を身に付ける「食育」が重要な課題となっています。
 そこで読谷村では、学校給食を通し、「地産地消」の拡大を図るとともに、地域の食材を「活きた教材」として活用することで、子どもたちに正しい食習慣を身につける「学校給食から芽生える地域再発見プログラム」を実施しました。
 2月20日に行われたプログラムには読谷小学校3年生が参加しました。地域の食材に興味・関心を持つようにと、その一つである紅イモを用いて、子どもたちが紅イモ料理を試食し、選ばれた料理が給食の献立に登場するというものでした。事前に紅イモの歴史や栽培方法などを勉強したほか、イモ堀体験をしました。また、給食の献立の試食では、紅イモ入のコロッケや肉団子、イカ団子の3種類が出され、子どもたちからは「おいしーおうちでもつくることできるかな?」「紅イモと一緒なら苦手な物も食べることができた」という声が聞こえました。じっくりと味わう子、口いっぱいほおばる子など学校給食の献立にでるとあって、みんな真剣に味を吟味していました。
 地域の食材を子どものころから食することによって、地域の食材に対する愛着が芽生え、沖縄の健康長寿を支えてきた農業と食文化を見直すことができます。また、地域の農作物が地域で消費されるようになると、消費者と生産者を結びつける理想的な「地産地消」の形が作られます。
 みなさんも、地域にある食材を手に取り一度食してはいかがでしょうか。忘れていた味、新しい味を発見できるかもしれませんよ。

20 読谷小学校にて実施!
学校給食から芽生える地域再発見プログラム ~地域の「食材」を取り入れよう~
①:試食するメニュー
  に目がくぎづけ
②:紅イモについて学
  習する子どもたち。
  「紅イモにもいろい
  ろ種類があるんだ
  ね」
①:イモ掘の様子

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