読谷の自然(133)昆虫類 72 ~クマゼミ~ (セミ科)
体長約50mm、沖縄のセミの中で最も体が大きなセミです。体は黒く光沢があります。ストローのような長い口で木の汁を吸います。関東地方から南の地域に分布し、県内の各島でふつうに見られます。住宅地やその近くの林、公園にいる、とても身近な昆虫のひとつです。方言名は一般に「サンサナー」 。「アササー」と呼ぶところもあります。
成虫が見られるのは6月中旬から8月中旬で、最盛期は7月です。センダンやホルトノキがとくに好きで、1本の木に何十匹もとまっています。オスは、ワシャ・ワシャ・ワシャ・・・と大きな声で一斉に鳴くため、人によってはやかましいかもしれません。鳴くのは、天気のいい日の午前中で、午後になると、鳴き声がぴたっとやみます。夏、親子でセミ採りをする姿をあちこちで見かけます。獲物の多くはクマゼミのようです。オスはつかまえられると、ギャーッ・・と叫ぶように大きな声で鳴き続けます。
文・写真 沖縄県農業技術研究センター 小浜継雄