読谷の自然(135)昆虫類 74 ~オキナワツノトンボ~(ツノトンボ科)
「ツノトンボ」という名前は、一見トンボに似ていること、そして長い触角(ツノ)をもつこと、からきています。変わったトンボを見つけたと、よく話題になるのがこのツノトンボです。トンボの触角はとても短く糸状で、目立ちません。このように、ツノトンボは名前にトンボがついていますが、トンボの仲間ではなく、ウスバカゲロウ(幼虫はアリジゴクと呼ばれます)の仲間なのです。
オキナワツノトンボは、体長約30ミリメートル、黒い体に黄色い斑紋があり、チョウの触角によく似た先端が丸い触角をもっています。沖縄の固有種で、沖縄島から八重山諸島にかけて生息しています。5月から8月に畑のまわりの草はらでよく見られ、翅を腹がわにたたんだ姿勢で、草にとまっています。独特の臭気があり、捕まえると手にいやなにおいがつきます。卵は草の葉や茎にかためて産みつけられます。幼虫は大きなアゴをもち、「アリジゴク」にそっくりな姿をしています。幼虫は草の上で活動し、小さな虫をつかまえて、その体液を吸います。
文・写真 沖縄県農業研究センター 小浜継雄