特別支援教育ゆんたく広場「めばえ」 Vol.4 ◇LD(学習に関係する障害)の子どもたち
発達障害をテーマにしたゆんたく広場「めばえ」も、4回目をむかえることとなりました。今回は、学校にかよう子どもたちの、学習面での困りごとについて考えてみたいと思います。
学校の授業の中で、子どもたちは「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」といった能力をうまく活用しながら、算数や国語などを学んでいます。でも、なかなかノートをとることができない・音読ができない・ある教科の理解ができない等、何度教えてもうまく行動できずに困っている場合があります。そういった傾向が長く続くことで、知的には問題がなくても勉強面で他の子に比べて2年以上の遅れがみられるような場合、まず学習に関する障害が疑われます。
学習に関する障害はLD(学習障害)という発達障害の一つとしてとらえられています。
では、LDの子どもたちは、どういったことが苦手なのでしょうか。その特徴として①文字の読み書き:文字や形のちがいなどを比較して、区別することが苦手②人の話を理解すること:音をうまく聞き分けたり、覚えることが苦手③2つ以上の感覚をあわせて使うこと:音読や文字を書き写すことが苦手④文章を書くこと・わかりやすく話すこと:ひとつひとつの言葉は分かっていても、つなげて文章としての意味を理解するのが苦手 ⑤忘れ物が多い:見聞きしたことを記憶したり、必要なときに思い出すことが苦手⑥計算すること:数を数えることができても、数字としてうまく置きかえられない など・・・
これらLD(学習障害)の特徴は、主に学習場面でよくみられることから、周りから「やればできる」「もっと努力しなさい」と言われ、できないことを何度も練習させられたりします。しかし、発達障害は、脳の中枢神経系の問題がその原因のひとつであり、できないことをむりやりさせることで、本人を傷つけたり、自信をなくさせてしまったり、自分をきらいになってしまうことだってあります。
今、必要とされる支援の第一歩は、「学習面での問題が時には障害によって起こされることがある」ことを、周囲がしっかり理解してあげることではないでしょうか・・・