読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2007年12月発行 広報よみたん / 15頁

読谷の自然 (139) 昆虫類78 ~キオビエダシャク~ (シャクガ科)

 前翅の長さ約三センチ、黒色の翅に黄色の帯、翅のつけねと胸から腹にかけ青い金属光沢があります。熱帯・亜熱帯に広く分布する南方系のきれいなガで、奄美大島以南の南西諸島に分布します。最近、九州でも発生が見られるようになっています。幼虫はシャクトリムシ(尺取虫)で、頭や体の側面がオレンジ色の派手な色彩をしています。イヌマキ(方言名チャーギ)の害虫で、幼虫が葉を食いつくし、木を枯らすことがあり、時々大発生して大きな被害を与えます。成虫は三月から十一月まで見られます。チョウのように昼間に活動し、センダングサなどの花に集まって蜜を吸い、またイヌマキの木のまわりをヒラヒラと飛びまわっています。雌は卵を樹皮の下に一個ずつ産みつけます。幼虫はイヌマキの葉を食べて育ち、木の根元の土の中で蠣になります。幼虫は振動に敏感で、枝をゆすると、口から糸を吐いて、垂れ下がります。虫のきらいな人には、ぞっとする光景でしょう。
 幼虫はイヌマキ由来の毒を体内に溜めるといわれています。幼虫の色彩が派手なのは、私は毒を持っていると、捕食者に宣伝(警告)しているためだと考えられます。

文・写真
沖縄県農業研究センター
小浜継雄

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