読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2008年1月発行 広報よみたん / 3頁

年頭のご挨拶 読谷村議会議長 前田善輝

 村民の皆様、明けましておめでとうございます。
 二〇〇八年の新春を迎えるにあたり、読谷村議会を代表いたしまして、謹んでご挨拶を申し上げます。皆様におかれましては、ますます健康で希望に満ちた輝かしい「子年」を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 さて、昨今の国内情勢は、戦後最大のいざなぎ景気を超える勢いとの報道がなされているものの、地方経済は未だその実感が得られず、都市部と地域の経済格差は益々拡大する状況にあります。また、大手食品会社などによる食品偽装事件は、食の安全に対する国民の信頼を損なうとともに、年金記録問題、防衛省問題、現職閣僚による不適切発言などは国民の政治離れ、政治不信を助長する結果となりました。そのような中で執行された参議院選挙では本村出身の山内徳信氏(全国比例区)、糸数慶子氏(沖縄選挙区)の両人がめでたく当選を果たし本村の新たな歴史を刻みました。
 歴史教科書検定問題では、「史実を正しく伝え、二度と戦争の過ちを繰り返してはならない」と十一万人余の県民が怒りの拳を突き上げた「教科書検定意見撤回を求める県民大会」が挙行されました。本村議会でも速やかに「教科書検定意見の撤回を求める意見書」を採択し、県内自治体の中でいち早く立ち上げられた読谷村実行委員会に参加するとともに、全議員の派遣を決定し行動を展開しました。一方、基地の整理・縮小、負担の軽減を求める沖縄県民の願いとはうらはらに、地対空迎撃ミサイル(PAC3)の配備や戦闘機の未明離陸が強行されております。さらに、日常的に繰り返されるGBS訓練の実施等に対し、本村議会としても意見書及び決議を採択するとともに訓練の即時中止を求めて強く抗議を行なってまいりました。
 平成十八年十二月末に全面返還が実現した読谷飛行場におけるパイロット事業として、総事業費二十八億円余りかけて平成九年度から事業着手されました先進農業支援センターも竣工し、今後は読谷中部地区畑地帯総合整備事業(担い手育成型)も計画されており、本村の農業生産の拡大及び地域振興に大きく寄与する施設として期待を寄せるものであります。さらに、生活習慣病の予防対策・健康増進を目的に温水プールや健康器具等を備えた読谷村健康増進センターも四月からの供用開始に向け、着実に整備が進められております。今後は読谷飛行場をはじめ、楚辺通信所、瀬名波通信施設等、ここ数年に及ぶ軍用地の返還面積が三四四ヘクタールに上ることからその跡地利用が課題となりますが、村民の皆様のご期待に沿うよう議会として、村当局とともに跡地利用の実現に向け取り組んでまいる所存であります。
 民間業者による管理型産業廃棄物最終処分場建設計画に関しては、これまで二回開催された建設に反対する村民大会に積極的に参加するとともに、新たに施設を建設する際に隣接する土地所有者の同意や搬入量等を住民に詳しく説明することなどを盛り込んだ県内初の「読谷村産業廃棄物処理施設の設置等の紛争予防に関する条例」を全会一致で可決し、快適な住環境の保全と健康保持のためにも毅然とした態度で対応をしてまいります。
 結びに、地方分権が推進される中「自己決定」「自己責任」という地方自治の本旨に基づき、議会としての監視機能を強化しつつ、多くの村民の声を行政に反映できるよう、執行部とも十分議論を尽くしながら地方自治の発展のため、村勢発展のために鋭意努力して参りたいと存じます。村民各位の議会傍聴等を賜り、なお一層のご指導とご鞭撻をお願い申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸を心より祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

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