軽度発達障害についてのおさらいと、
早めの気づきの大切さについて
Vol.6
今回はこれまでのおさらいをしながら、「気づき」の大切さについて考えていきましょう。
「軽度発達障害(発達障害)」には、①ADHD(注意欠陥多動性障害)、②LD(学習障害)、③高機能自閉症・アスペルガー症候群の3つがあります。いずれの傾向も、知的な面での問題は全くなく、行動面や学習面、他人と関わりあう場面で自分の感情や行動をうまくコントロールできないという特性をもち、それは決して「しつけ」や「わがまま」・「本人の努力不足・なまけ」といったことが原因では全く無いということ。その原因のひとつとして考えられることが、脳の中枢神経に何らかの問題があるためであり、本人としてもコントロールできずに悩んでいることを、みなさんはご理解いただけたと思います。
人は、成長する中で失敗や成功を繰り返し、自分を大切にする心や他人へのおもいやり、協調性などが育まれていきます。 でも、もし脳の神経系などの原因による本人の困りごとについて、理解されずにいたらどうでしょうか?実際に子どもたちは、自分でも衝動的な行動で悩み、目や耳でうまく理解できないために勉強が分からないもどかしさを感じています。周りからは怒られてばっかりで、友達からも浮いてしまっている自分… 成長すればするほど周りから疎外されているように感じて、学校に行けず、家から一歩も出られない状態になってしまう子ども達が現実にいることを忘れてはいけません。
その子ども達のつらさに寄りそい、適切な支援の手をさしのべるために私たちはどうしたらいいのでしょうか?実は、成長の早い段階で「うちの子なんだか気になるなぁ…、ちょっとおかしいかなぁ… でも相談するには気がひけるし、もっと成長すれば大丈夫だろう」と感じたとき、それが発達障害に関わる「気づき」の第一歩になるのです。気づいたら、早めに医療機関や役場の保健、福祉、教育の担当課へ相談することで、必要に応じ、具体的なアドバイスや、専門家からの支援を受けることができます。
そして、まわりの皆さんからの温かい理解とおもいやりの支援が、本人やご家族にとって一番の救いになることはいうまでもありません。