大きさは13~15ミリメートルと、小さなゾウムシの仲間で、奄美諸島以南の琉球列島に分布しています。成虫は周年見られ、屋敷林や森林の林縁、道路沿いなどに生えるシマグワの葉を食草としています。この虫のいる木の枝にふれたり、振動を与えると、危険を感じ、とまっている枝や葉から、足をちぢめて地面に落下し、死んだように固まってしまう「擬死(ぎし)」の習性があります。これが本種の捕食者から身を守るひとつの方法です。
また、一般的に昆虫の色や模様は、外骨格にそのまま出てきますが、本種の白っぽく見える色や模様は、不思議なことに体の表面に付いている白い粉によって描かれています。そのため、長生きの成虫では、白い粉の一部がはがれて黒っぽくなっていることもあります。そうなると別の種類のように見えてしまうことがあり、識別には要注意です。
村内でも屋敷周りや農耕地、森林部の道路沿いなどに生えるシマグワの木立や葉の上などでふつうに見られます。
文・県立美咲養護学校
嵩原 建二
写真・沖縄県農業研究センター
小濱 継雄