読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2009年2月発行 広報よみたん / 17頁

読谷の自然(153) 昆虫類62~オキナフクマバチ~(フシブトハナバチ科)

 体長ニセンチくらい、はねも体も全体が黒色のずんぐりとした大型のハチです。体は黒い毛で覆われ、はねに青い光沢があります。活動する時期は四月から十月、山地から人家周辺、海岸近くまでみられます。ブーンと羽音をたてながら、花から花へ、いそがしそうに飛びまわり、花粉や蜜を集めます。いろんな植物の花にきますが、人家周辺ではヘチマやニカウリの花でよく見ます。もちろん針をもっていますが、手でつかんだりしないかぎり刺されることはありません(たぶん)。
 四~五月ごろ、オスは広場や道路上など見晴らしのいい場所になわばりをつくります。地上ニメートルから数メートルの高さで、ホバリング(一点停止飛翔)し、メスが飛んでくるのをまちます。近くをチョウなどが通ると追い払います。この時期、山道をドライブすると、あちこちでなわばり飛翔するオスがみら
れます。メスは乾燥した枯れ枝にトンネルを掘って巣をつくり、ダンゴにした花粉をつめ、そこに卵をうみ、子を育てます。新しく生まれた成虫は巣の中で越冬し、翌年の春に活動を始めます。
 琉球列島には三種のクマバチがいます。奄美大島から徳之島にアマミクマバチ、沖永良部島から宮古島にかけてオキナワクマバチ、八重山諸島にアカアシセジロクマバチがそれぞれ分布します。クマバチは海を越え、移動する飛翔力がありますが、おもしろいことに、これら三種のクマバチの分布は全く重なりません。ひとつの島に一種のクマバチだけがいます。

文・写真沖縄県農業研究センター 小浜継雄

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