読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2009年4月発行 広報よみたん / 13頁

読谷の自然(155) 昆虫類84 ~ツチイナゴ~(イナゴ科)

 体長はオス60mm、メス70mmくらい、バッタの仲間ではかなり大型です。淡い褐色に、黄斑があり、全身に細かい毛が生えています。複眼の下に黒の縦線があって、黒い涙を流しているようにみえます。飛ぶとピンク色の後翅が目立ちます。幼虫は褐色または緑色で黒いまだら模様があります。日本では本州から南西諸島に、国外では中国、台湾、朝鮮半島、インドに分布します。
 幼虫の時期は夏から秋で、秋から冬に成虫になります。成虫は冬を越して、翌年に繁殖します。成虫、幼虫ともネピアグラスという外来の草(かつては牛馬の飼料にした)が好きで、集団でその草に止まっています。
 サトウキビの害虫であるタイワンツチイナゴによく似ていますが、ツチイナゴは複眼の縞模様が明瞭でないこと、体に細かい毛が密生していることで区別できます。タイワンツチイナゴと混じってキビ畑のまわりにもいますが、本種はどちらかというと山手の林縁、よく茂った丈の高い草地を好むようです。村内では国道58号線の東側の林や畑周辺の草地で見られます。

文・写真
沖縄県農業技術研究センター  小浜 継雄

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