全身褐色のバッタ目に属する昆虫で、体長はオスで18.5-21.5mm、メスで12.0-23.0mmほどになる。体は太くて短く、横からみると背中全体が丸みをおび、アーチ型の体型をしている。
本種はカマドウマ科の他の種と同様に、成虫でも翅(はね)をもたないが、3対ある脚のうち後脚(こうきゃく)は特に発達して、跳躍(ちょうやく)に適した形になっており、移動は主にこのジャンプ力にたよっている。また、この後脚の腿節(たいせつ)は体長とほぼ同じ長さがあり、その先の脛節(けいせつ)は体長よりも長い。この脛節端には長い刺がある。
顔は前から見ると下方に細まった卵型で、口付近には1対の長い小顎鬚(こあごひげ)が目立つ。触角は非常に長く体長の3倍以上もあり、暗所で体の周辺全体を探索するのに役立っている。
本種は洞穴や木のウロ、朽ち木の下、人家周辺など、暗くて雨のあたらない場所に生息し、しばしば人家その他の建物内にも入ることがある。
夜行性のため日中はこれらの隠蔽的(いんびてき)な空所にいるが、夜間は広い場所に出歩き回って餌を探す。食性は雑食性であるが、動物質のものを好み、おもに小昆虫やその死骸などを食べる。
村内ではトリイステーションの中にあるクラガー洞窟内での生息を確認したが、他の洞窟やまとまった森林地域などでも生息しているものと思われる。
文:嵩原建二(美咲特別支援学校)写真:小浜継雄
(沖縄県農業研究センター)