読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2009年11月発行 広報よみたん / 13頁

読谷の自然(162) 昆虫類91 ~ナナホシキンカメムシ~(カメムシ科)

 大きさは18~20mmほどのカメムシの仲間で、体色は金属光沢のある美しい青緑色を呈し、日本で最も美しいカメムシとされています。本種はその前胸部の背面には4個の黒色斑があります。また、腹部の背面には小楯板(しょうじゅんばん)と呼ばれる部分があり、本種の場合はこの発達がよく、翅(はね)のように腹部全体を覆っています。ここにも3対の黒色斑と、正中部に1個の黒色斑があり、この数が「ナナホシキンカメムシ」の名前の由来になっています。
  カメムシの仲間は、一般的に体に触れると、独特の悪臭を出して身を守る習性がありますが、本種も同様に体をつまむと独特の悪臭を放ちます。また、きれいな光沢のある体色は、目立つ色をしていることで、天敵からおそわれにくいという「警戒色(けいかいしょく)」にもなります。
成虫は5月から12月には見られますが、7月頃に数が増え、林内に生息してオオバギやカンコノキ類、タイワンツルグミなどの葉に群生して寄生しますので、その姿が観察されやすくなります。 葉の裏などにびっしりと集合していると、奇異な感じを受けますが、これが本種にとってどんな意味があるかはまだ十分に解明されていません。
 本種は国内では沖縄島以南に生息分布し、南大東島や石垣島,西表島などにも生息します。村内では親志のようなまとまった広葉樹林や集落近くの御嶽林などに生息しており、前記の樹木の葉の上や幹などに10個体ほどが集合している姿をときどき見かけることがあります。
文:沖縄県立特別支援学校教諭 嵩原建二
(写真提供:山本正英)

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