読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2009年12月発行 広報よみたん / 17頁

読谷の自然(163) 昆虫類 92 ~アカギカメムシ~(キンカメムシ科)

 オレンジや黄色の派手な色彩をした大型のカメムシです。体長は20~25㎜。派手な体色は、鳥などの外敵に味がまずいことを知らせる、警告色と考えられます。この虫を逆さにみると、背面の黒紋が人の顔のように見えます。日本では南西諸島に分布するほか、四国・九州・和歌山県の一部の地域にも生息します。近年、このカメムシは北へ分布を広げています。沖縄では、アカメガシワの木で5月から6月に2回繁殖します。幼虫、成虫ともに集団生活をし、母虫が子守をする、おもしろい習性をもっています。
 メスは葉裏に150個から200個の卵をかためて産み、産卵をおえたメスは卵塊の上に留まって、天敵から卵を保護します。卵からふ化した1齢幼虫も集団で母親のもとで過ごします。2齢になると幼虫は母のもとから、アカメガシワの実に移っていきます。この実は幼虫の餌となります。成虫は夏から冬にかけて、アカメガシワやオオバギなどの木に大きな集団をつくります(写真)。数千匹から数万匹の大集団をつくることがあります。
 集団でいると天敵に対する警告の効果も高まると考えられます。また、集団をつくるのは、交尾のため、あるいは越冬のためと説明されています。しかし、なぜ集団生活するのか、その意味はほとんどわかっていません。

文 沖縄県農業研究センター    小浜継雄
写真 沖縄県病害虫防除技術センター 原口 大

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