村民の皆様、新年開けましておめでとうございます。平成二十二年、寅年が始まるにあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
村民の皆様には、日頃から村政に対する深いご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。おかげをもちまして丑年の昨年も着実により良い村づくりを進めていくことができました。心から感謝申し上げます。
昨年は、一昨年から続く世界的な厳しい社会情勢の中、国内においては政権交代が行われるなど大きく揺れ動いた一年でしたが、我が読谷村においては、未来に向けた多くの新しい動きがスタートした年となりました。
懸案の軍用地の跡地利用については、読谷飛行場跡地において具体的な整備がスタートいたしました。
まず、読谷中学校の新築工事が始まりました。現在、工事は着々と進んでおり、今年の二学期には、新しい校舎での授業が始まる予定です。その他、農用地部分における土地改良事業や道路整備も始まりました。
また、大湾東地区におきましては関係者の長年の努力が実り、組合設立の認可が下り、区画整理事業がスタートいたしました。この地域は読谷村の南の玄関口であり、今後約十年の内には素晴らしい環境の住宅地として整備が行われ、村の顔としての役割も果たしてくれるものだと思っております。
そのような基盤整備の他、四月には、待望のコミュニティバス「鳳バス」が運行を開始いたしました。村内四路線を走る紅いも色の鳳バスは、お年よりや子どもたちを中心にご利用いただいておりますが、今後ますます、より多くの村民の皆様に愛され、利用していただくために運行方法などの改善を行ってまいります。
その他にも、本村出身の子どもたちが多数在籍する嘉手納高校野球部の九州大会優勝や健康増進センターの利用者数が開館一年半足らずで十万人を突破するなど嬉しいニュースもたくさんございました。
そのような中、外間政和さんが米兵にひき逃げされ、尊い命を失うというショッキングで悲しい事件もございました。その事件の早期解決と被害者のご遺族への補償の実施等を求めて、「米軍人によるひき逃げ死亡事件に抗議する読谷村民総決起大会」を十二月十三日に開催いたしましたが、師走のお忙しい中にも関わらず千五百名余りの村民の皆様にご参加いただきましたことは、本当に心強く感じました。まことにありがとうございました。決起大会の決議文は、村民の代表とともに上京し、日米両政府に対し直接手渡してまいりました。村民の思いが届き、速やかに事件が解決することを心から願っております。
さて、いよいよ今年は、念願だった陸上競技場の建設工事が着工いたします。即に実施設計も終了し、二月頃から工事が始まる予定であります。この陸上競技場は、平成二十三年の夏頃までには完成予定となっており、来年の読谷村陸上競技大会は、永年の願いであった専用競技場で開催されることになります。
また、今年は、選挙の年となりそうです。二月に、村長選挙が行われる予定でありますし、その後村議員選挙、県知事選挙と続いてまいります。村民の皆様におかれましては、ぜひ投票所に足を運んでいただき、村政、県政に対する自らの意思を表示していただきたいと思っております。
社会を取り巻く状況は、今年も決して楽観できるものではございません。しかしながら、村民の皆様のお力添えがあれば、読谷村はこれからも益々発展していくことができると、私は信じております。
資料によりますと、「寅」ろいう文字は、「草木が伸び始める」という意味があるそうです。また、「寅は千里行って千里帰る」と言います。昨年は、牛の歩みのごとく一歩一歩着実に物事を進めることができましたが、今年は虎のように勇ましく、勢いよく発展する年になりますことを心から願っております。どうか、今年も、村民の皆様にとりまして実り多く素晴らしい一年となりますことを祈念申し上げます。
最後になりますが、私は、二月末の今回の任期いっぱいで村長の職を退くことにいたしました。三期十二年、助役時代を含めると三十二年という長きにわたり村民の皆様には、本当にお世話になりました。思い返せば、読谷飛行場の問題をはじめ実に多くの場面で村民の皆様から大きなお力添えを頂きました。お陰をもちまして、なんとか村長の職を全うすることができそうです。心から感謝とお礼を申し上げます。二月に行われます村長選挙で新しい村長が決まるわけでございますが、どうか、新しい村長に対しましても、これまで同様に皆様のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上申し上げ、年頭にあたっての私のあいさつといたします。