
回顧
回顧 読谷村長 伊波 俊昭 十年一昔といはれる戦禍をうけ山形新たなるまでに変り果てた郷土読谷山村に国頭、羽地、金武、久志、石川、胡差その他各地に分散収容された村民を迎へ村役所を開設。政治、経済、教育、文化、社会その他諸般の行政事務を開始したが、一九四六年十二月一日、丁度今から十年前の本日であります。そして、戦前の読谷山村は新しく読谷村として誕生したのであります。 この十年間私達の村にも部落にも或いは又各家庭にもいろいろと返還がありました。今にして思へばすべて「過去は美しきものなり」そして思ひ出となり美しく私達の脳裏にきざみこまれているのであります。 移動中止と先遺隊の解散、労務供出と配給停止、食糧難と住宅難いろいろ苦難の道も歩んで来たのでありますが、壱時夢想だにしなかった程に政治、経済、教育、文化、社会その他諸般の繁栄をもたらしたのであります。 この機会に十年間の主なる行政記録を公にして村民の皆さんと共になつかしき過去十年を顧みることにいたします。