
1957年度予算説明歳出について 財政課
※一九五七年度予算説明 歳出について 財政課 一九五七年度歳入歳出予算の全般については、読谷村だより第四号(一九五六年十月一日発行)を以てお知らせいたしました。また歳入についても第五号をもって詳しく説明いたしましたので、今回は歳出について出来るだけ詳しく説明を加えて見たいと思います。 歳出は第一款議会費から第十三款の予備費まで、総額5,890,231円でありまして、各款における予算額と構成費については読谷村たより第二号を参照していただくことに致しまして、みなさんの税金や村の財産収入などが村民のためにいかように使はれるかといふことについてのべることにいたします。歳出を消費的経費と投資的経費の両面からとらえて検討してみます。 先づ消費的経費とはどういった経費かと申しますと、人件費や事務費である議会費や役所費などの消費的な経費のことであり、土木費や産業経済費、社会福祉事業などの経費は投資的経費といはれているのであります。消費的な経費は一円でも少く、それからういたお金を投資的事業にまわすことによって住民へのサービスの拡大となるのでありますから予算の編成の大きいねらいもそのようなところになければならないと思考されます。では私達の予算についてこれを見る事にいたしましょう。 消費的経費と考えられるものに (1)議会費の議員報酬、諸手当、費用報償 需用費等で 314,601円 (2)役所費の職員給 諸手当、監査委員会報酬、旅費、需用費、営繕費、交際費等の 2,703,026円 (3)消防費の職員給、諸手当、旅費、需用費、営繕費等で 91,080円 (4)選挙費の委員報酬、需用費等で 14,604円 (5)諸支出金の需要費、納税奨励費、繰替金、負担金等で 179,411円 (6)予備費の10,000円 合計3,312,722円が消費的経費でありまして、総予算額の約56%にあたります。 投資的に考えられるものに (1)産業経済費 1,673,880円(土木費62,000、製糖工場補助500,000円含む) (2)育英費及村内各種団体の補助金、伝染病予防費等の社会労働施設費として 315,828円 (3)役所敷地の購入費や役所建築費等の基本財産の造成費として 587,801円 合計2,577,509円で総予算額の44%にあたります。 以上は当初予算によって一応の分析を試みたのでありますが、当初予算を計上しましてからその執行の間にいろいろの理由で追加や更正がなされるのでありますが、この点については、後日にゆづりまして消費的経費と投資的経費の中で最もウエイトの大きいものについてもうすこし説明をいたします。 消費的経費の中では、村長以下三五名の役所職員と区長二十二名の俸給及議会二十名の報酬、監査委員、消防隊員、選挙管理委員等の報酬等の所謂人件費が、2,624,195円で総予算額の約44%にあたります。 投資的経費としては、産業経済費として、1,673,880円が計上されていますが、その中でも糖業振興対策費として■苗補助525,000円、製糖工場設置補助500,000円、合計して1,025,000円の多額の予算が計上されているのであります。 その外に産業経済費の中には荒蕪地解消や畜産業の振興や、村振興計画樹立費などが計上含まれているのであります。 社会福祉事業費として、315,828円の予算を計上してありますが、この中には本村における人材養成の計画によって有能な子弟を持つ保護者が、困窮のため志望する本人に進学させることが困難な状態にある者に対して学費を貸与する育英費が237,000円計上され、貸与系列に基いて貸与されているのであります。 その外に村内の各種公共団体を保護し、健全な発育を促し社会福祉に貢献さす目的で補助金を交付するように、亦伝染病予防費等が含まれている。 以上消費的経費と投資的経費に分けて説明したのでありますが、前記のとおり消費的経費が総予算の56%も占め、投資的経費が44%しかしめていない実情であります。 是は現在の市町村の財政状況では、村道、農道、護岸、堤防等多額の費用要する工事が政府予算で、或は政府の補助事業として執行されて居り、これらの投資的事業は村の当初予算には計上されていないのであります。 以上歳出予算についての説明を終わりまして、次回は私達の財産「村有財産」についてお知らせすることにいたします。 和やかに 話し合ふてぞ わが村を 皆で住みよき 郷となさなん