そんちょう日記 No.3 読谷村長 山内徳信
そんちょう日記 No.3 読谷村長 山内徳信 日増しに秋も深まってまいりました。秋、それは読書の秋でもあるが、スポーツの秋でもあります。 スポーツは地球上の動物の中で人間のみのもつ文化であります。スポーツを通して人間は、健全な体と健全な精神を養ってきたのであります。 読谷村内の今年の小学校、中学校の運動会、体育協会の陸上競技大会、読谷村老人クラブの運動会もすべて終りました。 運動会や陸上競技大会を見ておると、一コマ一コマに人間の努力や情熱、躍動、ロマンがあり・さわやかな感情をおぼえるものであります。 本村の小学校の終尾をかざって行われた渡慶次小学校の運動会が十月十八日にありました。私は日程の都合もあって午前中しか見られなかったが、次ぎ次ぎと展開される子供連の演技を見て、温い感動を覚えたのであります。 一つびとつの種目に先生方の教育的な配慮と御苦労の程がにじみでておりました。 幼稚園の体の不自由な子か、皆んなと一緒に元気一杯、演技をしている純粋な姿は、ほほえましく感じました。それだけでなく彼の宇宙は、さらに大きく広がっていくことさえ感じました。退場の際、幼い仲間達が手をたずさえて帰る婆も感動的でありました。彼を中心に、学級の中に支え合っていく友情と協力心の芽が成長しつつあることを感じました。 「みるく世たぼーり」という演技は、郷土の踊りに親しみをもたせるのがねらいでありました。運動会という行事教育の中に、先祖の築いた民俗芸能、民俗文化としての「チュクタルメー」と「イナシリ節」を真正面からとり入れたことは、教育の本質と目標を具現化したものであると思いました。たくましく演じている子供達と見ている父母や観衆が一体になっており、見ている人の中には、喜びの表現として感激の涙を、ちょこっと流している者もおりました。 「銀河鉄道999」もあった。これは子供達を動作を通して夢や幻想の世界へ誘う楽しいものであった。久しぶりに見た「空手」も、男らしくスカッとした。もっと書きたいのだが字数に制限があり、終らねばならないのですが、まとめまではお許しをいただきたい。 総じて、運動会に寄せる教師集団の心意気がにじみ出ている運動会であった。即ち、子供達の自主性、主体性、創造性を養い、逞しい人間に育てようという、教師集団の気持の表現だと感じました。