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1957年4月発行 読谷村便り / 2頁

甘蔗栽培の要領 経済課

甘藷栽培の要領 経済課
一.整地
 前作物の跡地を一尺五寸内外に深く耕して風化せしめ、土くれを細かく砕き地表面をならす。
二.植付の準備
1.横溝=地形と土質によって水はけと作業に便利のように上巾二尺、底巾一尺五寸、深さ地表より一尺二寸程度にもうける。
2.畦の方向=平坦地では南北にして日射、通風をよくし傾斜地では傾斜面に対し直角にして土砂の流れ去るのを除く。
3.植溝=上巾一尺五寸、深さ一尺二寸程度に掘り下げる。この場合表土を一方の畦に心土を他方の畦に盛り上げて心土の風化をよくする。次に底軟と同時に基肥を切り込んで、僅か両畦の壁をけずり落とすと共に、掘り下げた表土で五寸六尺程度に埋戻しをなし、土くれを細かく砕いて植床をかまぼこ形に作る。
4.時期=この作業は植付予定日の二週間前に完了するように。
三.植付の距高
春植、畦巾、三尺五寸-四尺 株間-八寸
四.蔗苗
春植の苗は、苗圃又は新らしく植えた■園の稍頭部より三段目までの二節苗を用いる。
五.植付の時期
春植の適期は三月中であるが、遅くとも四月上旬まで。
六.植付の方法
1.植床をホー又はワーレンホーで苗が埋まる程度の植溝を作り、蔗苗は南向に芽は左右に向けて苗溝と平行し、一寸程度に土をかぶせて軽くおさえ、土と密着せしめる。
2.補植=補植用として各植溝の両端に十本に対し一本の割合で予備苗を植えておく。
七.芽堀
降雨のために芽が埋ったときは土をかけわけて芽の出や分けつを容易にする。
八.補植
発芽がそろった後、発芽しない株が生じたときは予備苗で補植をする。補植のときは葉の先端を切りすてて根際を踏み固めショベルでていねいに堀り取り予め準備した補植穴へ移して水をかけ、充分に土と密着せしめる。
九.反当りに施す肥料の量
種目 推肥又は緑肥 反当施用量 5,000斤 基肥 5,000斤 追肥 第一回 - 第二回 -
種目 甘蔗調合肥料 反当施用量 三袋(10貫) 基肥 – 追肥 第一回 1.5袋 第二回 1.5袋
一○.追肥の方法(調合肥料の施しかた)
第一回の追肥は株の東側三寸内外離れた所に、第二回の追肥は反対側の四寸内外離れた所に溝を作って施し、必ず土をかぶせる。
一一.中耕除草
初めの除草はヘラにて芽堀をかねて行い、中耕は第二回の追肥までに鍬で除草をかねて行う。
一二.培土
1.平均培土は春植は六月までに中耕をかねて行う。
2.高培土は生育の状況に応じて、春植は七月中旬までに行う。
一三.枯葉取り
高培土の前には必ず枯葉を取除き、その後は混地及び■莖の倒れたところ又は鼠の害や病虫害のおそれがあるものだけ行う。
一四.病害虫の駆除
1.めい虫=植付後たえず必枯莖を苅取って捕殺し、被害莖は焼くか堆肥に積込む。
2.めんが虫=発生の始めに布切れを石油乳剤に浸してふき取る。BHC水和剤5%を水一升に二十匁程度とかして散布するか、テップ剤二千倍液を散布する。
3.こばねちんぞう=初期は被害莖を刈取って焼すてる。
一五.暴風後の手入れ
暴風雨の後は折れて根離れした蔗莖は取出して、苗その他に利用し、倒れたのは早めに結束して立て、土を根元によせて踏み固め排水溝をさらえる。
一六.収穫調整
収穫は成熟した蔗園の順に鍬にて根えから堀取り、枯葉稍頭部及不良莖を除きひげ根をていねいにけずる。

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