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1957年5月発行 読谷村便り / 1頁

新役所建設に際して

新役所建設に際して
村長 伊波 俊昭

 十年ひと昔とよく言われますが、戦後の一九四六年十二月仮住まいで役所を開設し、一九四九年七月に軍政府の援助によって瓦葺四○坪の役所庁舎が建設され軌道に乗った役所事務を執行して来ましたが、あれから七年自治行政の発達に伴い年々その規模が拡大され、従って職員も増加の一途を辿り愈々庁舎が狭くなり庁舎建築の必要を痛感したことであります。
 五七年度の当初における施政方針として、役所開設十周年を記念して会議室を建築する計画でありましたが、村議会及村民各位のご指導御鞭撻により事務室を建設することに変更したのであります。
 既報の通り昨年十二月廿六日より着工いたしました。本村役所庁舎は総坪数六四坪、総工費百十万円で、与那覇組与那覇次郎氏によって去る三月三十日鉄筋コンクリートスラブ葺も近代的文化的庁舎が予定通り完成され落成を待ちかねたように、同日、産業共進会展示会が催されて名声を博し、四月四日より新庁舎に移転して行政事務を執ることになりました。
 申すまでもなく自分達の住んでいる村の行政が如何ように運営されているか、どなたも関心を寄せる事でありましょう。行政は「知らしむべからず 寄らしむべからず」を絶滅し「ガラス張り行政でなければならない」と、よくいわれる言葉でありますが、正にその通りであります。従来は建物においても狭苦しく、行政事務においても戦禍の処理事件がその大半を要し、就中住民福祉方面の諸法規においても、幾多の空白があったため、不経済と非能率の点が多少あったかも知りませんが、これからは広い明るい建物で仕事をする以上、心機一変活気を呈し凡ゆる面に最大なるサービス行政の実を挙げ、村民皆様の御期待に副うべくお誓い申し上げまして新役所開設に当り御礼と御挨拶の言葉といたします。

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